避難ハッチの埋設方向を誤って埋めてしまった場合、中枠をはつり出してしまうとバルコニーの強度低下が心配されます。こうした場合には向き換えパーツを用いてハッチの吊り元即ちブラケット等をしかるべき位置に移設することになります。ハッチを埋め込む方向ですが、関係法令等には具体的な規定は明示されていません。所轄消防機関の指導に拠ります。例えば東京消防庁管内では、建物側を向いて降下するように指導されるのが一般的です。外側を向いて降下するのは恐怖感があり避難に差し支えるからということです。
逆に外側を向いて降下するように指導されることもあります。万一手を離す等して転落してもバルコニー内に落下するので、地上までそのまま落ちるよりは被害が少ないだろうということになります。
横向きに埋めるように指導されることは余りないようです。従って埋設前に所轄消防機関への確認と打ち合わせが大切です。また、この作業を行うということは既に認定済みの避難ハッチに手を加えるということになりますので、所轄消防機関の了解が必要です。避難ハッチの認定については一般社団法人全国避難設備工業会が総務省消防庁の委任を受けて行っています。